御詠歌 霧の海 たち重なるは 雲の海 たぐいあらじと わたる橋立
秩父鉄道「浦山口駅」から川の流れを聞きながら歩みを進めると、そそり立った岩壁が目に入る。
石段を上がった正面に三間四面、縁を回した朱塗りの観音堂があり、
高さ65mの切り立った岩壁が覆いかぶさるように迫っている。
江戸中期の建築といわれ、堂内には鎌倉時代の作と伝えられる本尊・馬頭観世音が安置されている。
お堂の横には橋立鍾乳洞があり、昔から胎内くぐりの霊場として巡礼達に親しまれてきた。
※12月第二月曜日〜2月末日まで、納経(朱印)は札所27番大淵寺でおこないます。

馬頭観世音
馬頭観世音を本尊とする札所は珍しく、日本百番観音霊場の中でも、
西国第二十九番・青葉山松尾寺と当寺のみで、坂東札所にはない。
交通の安全や馬の守り本尊として信仰され、
馬が唯一の交通手段で、農作業や運輸の動力でもあった時代、
縁日には飼馬をひいて参詣する人で参道は大賑わいだったという。
馬が自動車にかわった今日でも、
交通安全の祈願のために遠方からも御札をいただきに来る人たちが多い。
馬堂
本堂右手に「馬堂」といわれる小堂があり、左甚五郎作とある二頭の馬の木像がある。
本堂の馬が描かれた絵馬や境内の馬の銅像など、馬にゆかりのものが多い。